地域×災害チーム

海野芽美、木川裕太郎、畑大地、藤田華奈、吉田拓夢

- PRODUCT -

児童が楽しく学べる防災学習レクリエーションゲーム

DID IT

- Disaster Drill × IT -

DID ITは、児童が学校内に設置された防災に関するクイズをすべて解き、ゴールを目指す脱出ゲームである。アプリケーションを用いながらゲーム感覚で防災学習に取り組むことによって、生徒の防災に関する興味を引き出しながら自発的に学びを得ることを狙いにしている

図1 DID IT の流れを現した図

「DID IT」の特徴

QRコードを読み取って取得したアイテムで解くアイテムクイズ

アイテムクイズは、クイズが置いてある教室を探し出し、その教室内に設置されたアイテムを集めて解答するクイズである。児童は、実物のアイテムに貼られたQRコードを読み取ることで、クイズの回答に使うアイテムを取得できる。ここで取得したアイテムがアイテムクイズの回答の選択肢になる。このようにクイズに探索要素を追加することによって、児童がよりゲームに没入して楽しむことができるようにする狙いがある。

図2 アイテムクイズ

QRコードを探して解く知識クイズ

知識クイズは、学校に点在する知識クイズ用のQRコードを探し出して読み取ることで解けるようになるクイズである。児童が災害への備えや、被災してしまったときの生活で役立つ知識を得ることができるような内容のクイズである。学校内にあるクイズを探して解けるようにすることで、探索要素が追加されて座って解くクイズよりも児童が飽きにくくする狙いがある。

図3 知識クイズ

ゲームに没入感を出すシナリオ

児童は、シナリオの中で活動を行うことができる。DID ITのシナリオは、学校が災害に見舞われて崩壊してしまった世界線に児童が迷い込むところから始まる。児童はこの世界線で災害が起きるのを防ぎ、学校を救おうという設定の中で活動をする。このシナリオの中で、児童は学校中のクイズをすべて解くというミッションを達成することで学校を救うことになっている。ただ学校中にあるクイズを解くのではなく、このシナリオがあることで児童がクイズを解くことの理由付けを行った。そうすることで、ゲームへの導入が自然になり、没入感が生まれて、児童がゲームをより楽しむことができるようにする狙いがある。

図4 シナリオ説明に使われるイラスト(一部抜粋)

開発に使用した技術

図5 開発に使用した技術

- PROCESS -

ITを利活用して函館市民の防災意識の向上を図る

地域×災害チームは、ITを利活用して函館市が抱える災害についての課題解決を図ることを目指している。前期の活動では、函館市が抱える災害に関する課題のうちどのような課題に取り組むかをネットで情報収集を行ったり、ヒアリングを行ったりして精査した。その結果、函館女性会議さんへのヒアリングで出た防災意識という話題に注目して、函館の防災意識の向上という課題に取り組むことにした。

図6 防災についてのヒアリング

次に、防災に関する活動をインターネットで調べたり、Miro上でブレインストーミングをしたりして防災意識の向上にどのような方法で取り組むのかを議論した。その結果、やりたい(面白い)・やるべき(需要)・やれる(データ入手,実装技術)の観点から子供向けの防災学習を支援するシステムをつくることを決定した。

図7 抽出した課題

プロダクトの大幅改善を行った話

ステークホルダーである函館市立えさん小学校との1回目の打合せのとき、DID ITはアイテムクイズがなく知識クイズだけを解いてゴールへ向かうゲームだった。そのような状態のDID ITを紹介したところ、知識クイズだけではパソコンの前で解くクイズと変わらないため、もっと体を動かす要素があったほうが良いというご指摘をいただいた。その指摘をきっかけにプロダクトを見直すことにして、プロダクトの案を出し合うところからやり直した。そして、ユーザーストーリーマップも最初から作り直した。その結果、ゲーム要素としてアイテムクイズを追加し、児童がさらにゲーム感覚で楽しめるような現在のDID ITの形になった。また、この指摘によってプロダクトの見直しを行った結果、メンバーにとっても面白いと思えるようなプロダクトになり、チームの士気も高まった。

図8 改善後ユーザーストーリーマップ(一部抜粋)

えさん小学校で実地試験を実施

実際にこのサービスの対象である児童たちに使ってもらいフィードバックを得ることを目的とし、12月3日に函館市立えさん小学校の協力のもとで実地試験を行った。子供たちには活動を楽しんでもらう一方で、子供たちが実際にアプリケーションを使うとどのような事が起こるのか、イベントを運用する上での小学校の先生の振る舞い方など、自分達にとっての学びと、サービスに対する課題を得た。実地試験後にアンケートを実施したところ8割以上の児童が楽しかったと回答してくれた。とくに、探索が楽しいと感じた児童が多かった。一方で、アプリケーションが使いにくい、ゲームの説明がわかりにくいと回答した児童がいた。アプリケーションが使いにくいと回答した児童は、QRコードを読み取るのが難しかったと回答している。ゲームの説明がわかりにくかったのは、異なる解き方のクイズが存在していてルールが煩雑になっていたことが原因の一つと考えられる。今後は、これらのフィードバックを分析、サービスを改善してもう一度1月18日に実地試験を行う。

図9 実地試験準備の様子

図10 児童へのルール説明の様子

- FUTURE -

今後の「DID IT」

今後は1月18日の2回目の実地試験に備えてプロダクトを改善していく予定である。具体的な改善内容としては、実際に手を動かして実物のアイテムを使って解くクイズを発展的問題として導入すること、児童が各クイズで何回間違えたかのデータを取得することを考えている。また、12月3日に行った一回目の実地試験で得たアンケートの分析を行い、分析結果に応じた特徴追加や修正をする予定である。そして、2回目の実地試験の後にアンケートを再度実施し、プロダクトが改善したかどうかを分析する予定である。

著作者一覧

図1 吉田拓夢. 「DID IT の流れを現した図」

図2 吉田拓夢. いぢちひろゆき氏. 「アイテムクイズ」

図3 吉田拓夢. 「知識クイズ」

図4 藤田華奈. 「シナリオ説明に使われるイラスト(一部抜粋)」

図5 木川裕太郎. 「開発に使用した技術」

図6 吉田拓夢. 「防災についてのヒアリング」

図7 木川裕太郎. 「抽出した課題」

図8 木川裕太郎. 「改善後ユーザーストーリーマップ(一部抜粋)」

図9 畑大地. 「実地試験準備」

図10 伊藤恵. 「児童へのルール説明」

付録

デモ動画